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『コード・ブルー』ヒットの秘密

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出典:http://tinyurl.com/y92z2bab

『コード・ブルー』ヒットの理由は“脚本”にあり  組織のドラマ描く安達奈緒子の実力

 月9の『コード・ブルー』が好評です。

本作はフライトドクターの活躍を描いた医療ドラマです。

第一話の平均視聴率が16.3%、第二話が15.6%、第三話が14.0%と、

今期のテレビドラマの中ではトップの数字を獲得しています。

低調著しかった月9の中では久々のヒット作だと言えます。

 ヒットの理由は過去作の良さを守っているからとおもわれます。

前シリーズに出演していた山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、浅利陽介、比嘉愛未が引き続き出演していることが何より大きいとおもいます。

チーフ演出の西浦正記やプロデューサーの増本淳といった制作チームが再結集していることも重要ですね。

エンディングテーマでかかるミスター・チルドレンの「はなび」も含めて、過去作を踏襲した堅実な作品となっています。

 と同時に決定的な違いもあります

それは脚本家が林宏司から安達奈緒子に変わったことによるテーマの変化です。

過去の二作が、現場での経験を通して成長していく新人医師たちの姿を描いた青春譚でした。

これに対し、今回の『コード・ブルー』は、翔北救命センターというチーム全体が主人公の群像劇となっています。

こういった組織のドラマを描かせたら安達以上にふさわしい脚本家はいないのではないでしょうか。

 安達奈緒子が脚本家としてのキャリアを本格的にスタートしたのは

2011年の月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』でした。

これはチーフ演出が西浦正記、プロデューサーが増本淳という『コード・ブルー』と同じチームで作られました。

 視聴率も低く話題になったとは言い難い作品です。

しかし、三浦春馬が演じた修二という教師の、言ってることは正しくて真面目な好青年なのに、

見ているとイライラして「何なんだ? こいつは」と目が離せなくなる秀逸な人物造形や、

異常に長いワンシーンで緊張感を保つ演出など、

今までのドラマにはない驚くべき要素が多く、最後まで目が離せなかったとの評価です。

 ストーリーだけ抜き出せば、酔った勢いで女子生徒と一夜を共にしてしまった高校教師の身に巻き起こる困難を描いた、よくある学園ドラマなのですが、

画面で起きていることはとにかく異常で、物語に挟み込まれる安達奈緒子の恋愛や仕事に対する哲学のようなものが印象に残る怪作でした。

 一般的な知名度で言えば安達の代表作は、次に書いた月9ドラマ『リッチマン、プアウーマン』でしょう。

西浦正記、増本淳のチームと再び手がけた本作は、小栗旬が演じるITベンチャー企業の若社長と石原さとみが演じる東大生のインターンを主人公にした物語でした。

重厚な企業ドラマと華やかなラブストーリーがうまく融合した、月9の新しい夜明けを告げるような作品でした。

 残念ながら『リッチマン、プアウーマン』に続くような作品は作られず、

その後、月9は衰退の一途をたどり今に至っています。

そんな中、続編ではあるものの『コード・ブルー』は、仕事と恋愛を真正面から描いた久々に月9らしいドラマが復活したと言えましょう。

 前作から7年を経て、新人だった藍沢耕作・山下智久たちは医師としてキャリアを重ね、

今度は後輩のドクターやナースたちを指導し導く立場へと変化しました。

第一話で白石恵・新垣結衣が藍沢から「指揮官になれ」と言われたことからもわかるように、

中間管理職が組織を切り盛りする会社モノとしての側面が強くなっていました。

 一方で、第二話では17歳の女性患者が妊娠していることと、フライトナースの冴島はるか・比嘉愛未が、子どもを産むかどうかで迷っている姿が描かれ、

組織における後輩の育成と同時に、職場で働く女性の出産や子育てというテーマが物語の中で描かれていました。

 また、第三話では脳が腫瘍におかされた14歳の天才ピアニスト、

アルツハイマー型認知症の原因物質抑制プロジェクトの開発競争に敗れて自殺しようとした研究者。

指先が麻痺して包丁が握れなくなるかもしれない料理人といった人々が登場し、

命をかけてきた大切な仕事で自己実現ができなくなっても、人は生きねばならないのか?  など、重たい問題が描かれました。

 仕事と子育てをめぐるシリアスな問題をエンターテイメントの枠組みの中で見せようとする重さと軽さが混在する作風は、

月9で安達が書く際の、最大の魅力でしょう。

 安達の書いたドラマには、チームが一つのプロジェクトに向かって突き進むうちに、

ランナーズハイならぬ“ワーキングハイ”といでも言うような高揚感に包まれる姿が何度も描かれています。

それはもちろん『コード・ブルー』でも健在で、見ていて実に気持ちがいいのです。

それはトレンディドラマ以降の月9が担ってきた普遍的なテーマだと言えます。

 藍沢や白石が組織を立て直そうとしているように、

安達たち『コード・ブルー』のチームも月9を立て直そうと戦っています。